「ピルの使用状況」日本と諸外国の違い
出典:日刊スポーツ
『サッカーの試合でパフォーマンスを低下させないように、低用量ピルを内服して月経周期をコントロールしたり、月経による鉄分の不足を防いでいました。』
と語ったのは、元なでしこジャパンのキャプテン、澤穂希さんです。
選手時代低用量ピルを内服していたことを、2018年の3月に都内で行われたトークショーでお話しされました。
おても大きな話題となっていました。
低用量ピルの内服など、月経にまつわるデリケートな問題は、なかなか発言しにくいのが現状です。
出典:AERA.dot

ピルの使用を話題に取り上げるなんて、日本はピルに対する理解が低い・・・
『生理休暇はあるけれど、そんなのを使って休むとサボっていると言われるから取れないのです』、
と酷い月経痛を相談しに外来を受診される女性は多いです。
日本は、低用量ピル後進国と言わざるを得ないのが現状です。
2013年の国連人口部の統計によると、日本のピルの服用率はわずか1%でした。
一方、フランスは41%、ドイツは37%、イギリスは28%、米国は16%でした。
欧州におけるピルの内服率は、日本と比較してはるかに高いのです。日本は、韓国の2%、中国の1.2%にも及びません。
私事で恐縮なのですが、低用量ピルにまつわる私の事例をご紹介します。
二十歳をすぎた頃から生理痛がひどくなり、起き上がることすらできなくなりました。
藁にもすがる思いで婦人科の先生に相談し、低用量ピルの存在を知りました。
低用量ピルを内服してすぐに生理痛は消え、倦怠感や月経痛も、ほとんど感じなくなりました。
いつ月経が始まるかを簡単に予測できるようになり、「そろそろ来るかな……」とそわそわすることもなくなりました。
低用量ピルは、毎日内服する必要があります。正しくは、21日間飲み続け、7日間休薬します。
けれども、医師として働くようになった頃から、飲み忘れが多くなってしまったため、医局の自分の机の上に置くことに決めました。
それからは、飲み忘れることなく内服できていました。
ある日、『ピルを机の上に置かないで』と同僚の医師から注意を受けました。
頭痛薬などの常備薬を机の上に置いているようなつもりだった私は、どうしてダメなのか?と尋ねました。
すると、『ピルを机の上に置くのは、コンドームを置くようなものだ』とある医師から言われてしまったのです。
私は、悲しくて悔しくて泣いてしまいました。これが日本におけるピルに対する理解の現状なんだと実感したことを覚えています。
出典:AERA.dot

日本ではどうしても、異常な偏見があるようです。セックスとすぐ結び付けたがる、
ピルを使うのは、避妊だけではないのに・・・